だから荒野
<図書館から借りた本>
桐野夏生 著
『だから荒野』
専業主婦・朋美 46歳の誕生日。
朋美を祝ってやろうという気持ちがまるで無い夫や息子たち。
自分勝手で常に自己正当化する夫。冷淡な大学生。ネットゲームに夢中の高校生。
そんな我儘で自分勝手な家族から粗末に扱われてる朋美はその日
突如 家庭を捨て、ひとり車であてのない旅に出る。
そこで見たものとは。。。ハプニング。出会い。。。
離れてみて初めてそれぞれが家族のありようを考えるようになる話。
面白くてページをめくる手が止まらなかった。
特に前半の家出する部分は共感して うんうん。そうそう。と頷いてしまう。
誕生日にただ一人メールをくれた友人にだけ家を出ることを告げた時
理由を尋ねられて言った言葉
『特別なことは何もない。
でも、誰もわたしの気持ちなんかわからないし、
分かろうともしないことに気付いたのよ』
この寂しい言葉が印象的だった。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 強い味方(2023.12.06)
- 元気いっぱい!(2023.12.05)
- キョウヨウ(=今日の用事)(2023.12.04)
- 赤高菜(2023.12.01)
- 11月のお遍路・二日目(2023.11.29)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- キョウヨウ(=今日の用事)(2023.12.04)
- 春星 終刊号(2023.09.25)
- たゆたえども沈まず(2023.06.19)
- あなたは、誰かの大切な人(2023.05.22)
- とりつくしま(2023.05.14)
お気楽ママさん、こんにちは。
天候が回復せず、広島が気になるところではありますが、
無事を祈り、命がこれ以上失われないことを願うだけです。
特別な理由は無い・・・だけど・・・誰も私の気持ちを分かろうとしない・・
この本は、読んだことは無いのですが・・・
特別な理由は無いと言いながら、主人公の「誰も分かろうとしない」という言葉に
荒涼とした寂寞感や孤独感を感じます。
人は、どんなにたくさんの人に囲まれていようとも、にぎやかな都会の雑踏の中にいようとも、自分はたった一人であり、絶対的な孤独の中にいるんだと感じる瞬間を経験します。
それは、誰もが経験するわけでは無いかも知れませんが・・・
その瞬間に、突然に、荒涼とした寂獏たる荒野に、一人風に煽られる自分を見るのです。
自分は独りで生まれてきて、一人で死んでいくのだと・・気付いてしまうのです。
この物語のあらすじも結末も知りませんが、主人公はそんな自分の姿を見たのかも知れませんね。
私だって、時にそんな自分の姿を感じます。
だけど、そのたびに、「あなたの気持ちは、よくわかる・・・」という言葉を付けて
話してくれる友人がいます。
そんなとき、少なくとも自分は一人では無いんだと感じることが出来ます。
ただひとりメールをくれた友人は、主人公にどう関わったのかわかりませんが、
自分のことに関心を持っている人がいると言うのは、救われるのではないでしょうか?
関心を持つという事は、愛情があるのだ!とは、子育ての世界でよく聞く言葉ですが、ヒトだけが感じるだろう「孤独」という感情は、ある意味恐ろしいものなんだと思います。
投稿: 歌姫 | 2014年8月24日 (日) 11時23分
この度の土砂災害では沢山の方が被害にあわれましたね。
TVニュースを見るにつけ辛くなります。
行方不明者の懸命な捜索も行われていますが
断続的に雨も降り、難航してるようです。
避難されてる方々にとっても
早期の復旧がなされると良いのですが・・。
「だから荒野」
夫に読ませたい本です
まぁ この本に出てくる夫のような
自己中心的な人ではないのですが・・。(笑)
気にかけてくれたり、「分かろう」としてくれたりする人がいるだけで
孤独じゃないんだと自分自身で確信できるし、嬉しいことですよね。
悲しいのは 人に囲まれていながら「孤独」を感じることでしょう。
孤独で寂寞たる「荒野」より
思いやりのある、優しい気持ちに包まれた「沃野」に暮らしたいですね。
投稿: お気楽mama(yukiko) | 2014年8月24日 (日) 23時11分